こんにちは。税理士の川里です。
第7回目のコラムは「会社を倒産させないポイント」その2を書いていきます。
今回は題しまして、「貢献利益率を高める」です。
貢献利益とは、売上―売上原価-直接販売費で計算できます。
例えば飲食店を例にとってみましょう。
売上は説明不要と思いますが、売上原価は仕入、つまり食材になります。
直接販売費は広告宣伝費などです。
売上100万円―食材30万円―広告費5万円だとしたら貢献利益は65万円になります。
この65万円で固定費を支払うことになりますのでこの貢献利益を高めることが経営では非常に大事になってきます。
では以下では、貢献利益を高める方法を個別で見ていきたいと思います。
1.売上アップ
売上は顧客単価×顧客数となります。
よって貢献利益を高める方法は当然ですが顧客単価のアップと顧客数を増やすことです。
まず顧客単価ですが、飲食店を例にとれば、メインの他にお酒やデザートなどのメニューをお客様に注文してもらい
1円でも高い単価になるように勧めたり又は仕掛けをしたりすることがとても重要になってきます。
そして顧客数ですが、顧客数を増やすためには広告宣伝費が効果的です。
例えば来客時に次回来店時の割引券やフリーペーパーに割引券を掲載するなどの方法です。
ただ広告宣伝費を使うと直接販売費が当然アップします。
直接販売費はアップしますが、ここで大切なのは割引券を持ってきたお客様のデータをしっかりと集積することです。
例えばお客様の年齢や注文した商品や時間帯、同席者数、どのようなタイミングでお店に来たか?などです。
これらをしっかりと分析し、効果的な広告を打ち出し次回来店のきっかけ作りとリピーターを増やしていきましょう。
ただやはり最終的には商品力で左右されることになりますので、勝負どころはしっかり踏まえ、効果的な広告を打ち出していきましょう。
2.原価を下げる
売上アップの次は原価を下げることです。
原価をただ下げるのであれば食材の質を落とせばすぐにできます。
ただ、安い食材は安いなりの味しか出せないのではないでしょうか。
では原価を下げるためにまず考えられることは安い仕入先を探すことです。
周囲から情報を集め安い仕入先を探せたら、仕入れの量にも依りますが値引き交渉を更にしましょう。
また、同業者と同じ仕入先を使い、大量に仕入れれば、さらに値引きを受けることもできるはずです。
1円でも安く仕入れることができれば原価を下げることができますのでここはしっかりと探していきましょう。
そしてここで最も大切なのが原価を把握することです。
原価を把握していない経営者の方も少ないかと思いますが、いらっしゃるかと思います。
把握せず、サービス精神は旺盛でどんどんサービスしてしまいほとんど利益がでない商品にしてしまっては当然お店の利益は出すことはできません。
原価をしっかり把握しないと原価を下げるという対策も打てないのでこの点もしっかり把握していきましょう。
3.直接販売費を下げる
直接販売費で分かりやすいのが広告宣伝費です。
この広告宣伝費は、ただ単に闇雲に広告を打ち出せば良いという訳ではないです。
しっかり目的を決め、その反響がどのようであったかデータとして集積する必要があります。
最初は手探りで仕方ないですが、データを分析集積し、最も効果的な広告が打てれば余分な経費を省け、
結果的に直接販売費を下げることにつながります。
この点も意識して広告を打ち出していきましょう。
いかがだったでしょうか?
ご不明な点があればご質問頂ければと思います。
税理士 川里隆之